稲穂(いなほ)は、北海道札幌市手稲区にある地区である。
北海道旅客鉄道(JR北海道)函館本線以南の地域で、北西から南東に国道5号と札樽自動車道が走る。
市街化地域は稲穂1条から5条まで分けられており、南西の山岳部は手稲稲穂と呼ばれる。
歴史
1872年(明治5年)ころ、青森県の南部地方から入植者たちが訪れた。近隣の前田は泥炭湿地、また山口は砂丘と農耕不適地が多い中で、手稲山北部の丘陵から続く平坦な原野が広がるこの地域は、比較的開墾が可能であった。そのため入植者たちは、1俵15銭の炭焼きで生活費を稼ぎつつ、泥田の開墾に力を注いだ。
1942年(昭和17年)の字名改正に際し、農耕に従事した先人の労苦をしのんで「稲穂」と命名された。つまりは日本語由来の名称であり、北海道各地に散見される、アイヌ語の「イナウ」に由来する稲穂地区とは起源が異なる。
地域の発展は近隣と比較すると遅れがちで、長らく農地が広がっていたが、1970年代後半から急激に宅地化が進行し、一時は日本一の地価上昇率を記録したこともあった。
住所
交通
鉄道
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)函館本線
- 稲穂駅 - 星置駅
道路
- 札樽自動車道 金山パーキングエリア
- 北5条手稲通(国道5号):地区中心部を東西に走る。
- 二十四軒手稲通(軽川街道):地区北部を東西に走る。旧国道。星置・曙との境界。
- 曙通:曙との境界。
ジェイ・アール北海道バスがバス路線(札樽線)を開設しており、稲穂3条に手稲営業所を設置している。
施設
- 手稲稲穂二条郵便局(稲穂2-3)
- ジェイ・アール北海道バス手稲営業所(稲穂3-4)
- NICHIJO稲穂工場(稲穂3-6)
- 札幌市立稲穂中学校(稲穂4-2)
- 札幌市立稲穂小学校(稲穂4-5)
- 北海道手稲養護学校(稲穂3-7)
- 北海道札幌稲穂高等支援学校(稲穂4-7)
脚注
参考文献
- 『札幌地名考』北海道新聞社〈さっぽろ文庫1〉、1977年9月26日。
関連項目
- 稲穂 (曖昧さ回避)
外部リンク
- 札幌市手稲区役所
- 手稲のまちの案内板 稲穂



