八阪神社(やさかじんじゃ)は、奈良県奈良市押上町(おしあげちょう)にある神社。押上町祇園社とも呼ばれ、拝殿の扁額には『祇園社』と記されている。
歴史
鎌倉時代の建武5年(1338年)6月、手掻門北塚に影向があり、託宣によって手向山八幡宮の摂社とされたと伝わる。その後、慶長11年(1606年)、寛永19年(1642年)、宝永元年(1704年)など度々火難にあったが、都度再建されている。
東大寺の惣絵図にも、西の築地外に接して祇園社が描かれ、現辨財天社と考えられる小社殿も表されている。
境内
本殿は三間社流造で、中央に素戔嗚尊、左に櫛稲田比売命、右に八柱御子神を祀っている。本殿瑞垣の外には辨財天社がある。拝殿は方二間、床張り、瓦屋根で、他に神庫と集会所がある。
文久4年(1864年)の石灯籠の他、境内正面門前に、永代常夜灯、元禄5年(1692年)と刻んだ石灯籠の竿石が立っている。その他水船や古い井戸枠も残る。
記録によると、鳥居・玉垣は文久2年(1862年)5月の建立、拝殿も同年11月上棟とされる。
祭神
本殿
- 素戔嗚尊(牛頭天王)
- 櫛稲田比売命(頗梨采女、歳徳神、歳神)
- 八柱御子神(八王子権現、八将神)
辨財天社
- 菅原道真(天満大自在天神)
- 市杵島媛命(辯才天)
出典
参考文献
- 八阪神社現地由緒書
- 奈良市史編集審議会編『奈良市史 社寺編』、吉川弘文館、1985



